インタビュー
A song for XX
アルバムのタイトル『A Song for XX』の意味から聞かせてもらえますか?
ayu⇒【A Song for XX』の“A”はAyuの“A”とAlbumの“A”です。
“XX”は聴いてくれた人が、自分の好きなモノや好きな人の名前、数字なんかをイメージしてくれればいいです。Ayuの中にも“××”に当てはまる答えは1つだけありますよ。でも、それを文字にしちゃうと、聴く人にとって、すごくイメージを限定してしまうから、だから、みんな自分の姿を投影しやすいように“××”にしたんです。】
 
■レコーディングはいつごろからしていたの?
ayu⇒【9月の頭ごろからですね。】

■でも、その頃って、シングルの制作なんかがあったりして、忙しかったんじゃない?
ayu⇒【そうですね。アルバムまでに「For My Dear...」と「Depend on you」のシングル2枚をリリースすることが決まっていたから、それと並行しながら制作してました。】

■それだけの過密スケジュールにも関わらず、全16曲、トータル約70分もの作品をつくってしまうのはスゴイよね。
ayu⇒【「For My Dear...」を歌番組で歌って、アルバムのレコーディングでまた歌って「Depend on you」でまたまた歌って。歌って歌って歌っての毎日でした(笑)。だからちょっと声がかすれてる曲もあるんです。】

■ヴォーカルも大変だったと思うけど、全曲作詞をするのはもっと大変だったんじゃない?
ayu⇒【書きたいことがいっぱいあったんでしょうね(笑)】

■アルバムには、シングルを数多く制作している星野靖彦さんをはじめ、m.c.A・TやDA PUMPのプロデューサー、富樫明生さん、Every Little Thingの五十嵐充さんなど多彩な作家陣が参加してますよね。
ayu⇒【五十嵐さんも富樫さんも“はじめまして。よろしくお願いします”って感じではなくて、昔から知っている人たちだったから、やりやすかったです。でも、2人とも確固としたイメージがあるから、彼らに負けないような詞を書かなきゃっていうプレッシャーもありました。だから、あえてもらったDAT(音)を聴かなかった。聴いちゃうと、きっとイメージが固まってしまうし。もともと詞を書く前にはすっごく曲を聴く人なんですけど、五十嵐さんと富樫さんの曲に関してはそれをせずに、メロディーとかを大体覚えて、あとはレコーディングまで聴かずに詞を書いたんです】

■デビュー前にインタビューしたときと比べて、今は、自信に満ちあふれてる印象を受けるんですよ。なんかこう、“キリッ”としたというか(笑)。きっと、この1年の成長や変化が、表情やしぐさはもちろん、詞や歌にもでているんじゃないかと思うんですけど。
ayu⇒【そうですね。変わったと思います。1年前は、周りの人を信用してなかったですから。人と話すことがすごく苦手で、“壁”をつくって距離を置いてました。でも、今は“Ayuはあなたのことを信じてます。だから、あなたも信じてください”っていうんじゃなくて、頼ったり頼られたり、そういう信頼できる人が自分の周りに何人かできたし、“あなたに裏切られたら、もうしょうがないです”って言えるくらいの人もできた。きっと、その人たちがAyuを変えたんだと思います】

■それにしても、2ヵ月ごとにシングル、そしてその後アルバムというのは、すごいハイペースですよね。
ayu⇒【この世界に飛び込んできて、2ヵ月に1枚シングルをリリースして、アルバムつくって。走って走って走って、ときには引きずられながらって感じでした(笑)。でも、それをやってこれたのは、その信頼できる人たちがいて、支えてくれたおかげだと思ってます。決してAyuだけががんばったんじゃない。みんながAyuをがんばらせてくれたんです。だからこのアルバムができたんだと思います】

■プロデューサーのmax matsuuraさんからレコーディングのときにいろいろとアドバイスを受けたと思うんだけど。いくつか教えてもらえるかな。
ayu⇒【たまに寝てましたけどね、口開けて…(笑)。どういうことでしょうかね??? でも、いてくれるとすごく歌いやすいんですよ。もう何年も前からAyuのことを知っててくれてる人だし、Ayuが歌を歌おうと思ったのも、詞を書こうと思ったのも、そして歌うことができたのも、詞を書くことができたのも、プロデューサーであるmax matsuuraさんが、“Ayuは歌える”“Ayuは詞が書ける”“おまえならできる”って励ましてくれて、“Ayuはできるんだ”って思えたのがきっかけだし。はじめてなんです。“おまえはできる”って言ってくれた人は。それまで(中学生や高校生のころ)はどっちかっていうと、周りの大人から“おまえは何もできないんだから、何もしなくていい”って言われてたタイプでしたから。Ayuが変われたのは、励ましてくれたプロデューサーのおかげ。その人がレコーディングのときにいてくれると、たとえ寝てても、ひと言も発しなくても、ちゃんとできるって思えるし、心強いんです】

■信頼できる人が側にいると、実力以上のモノがだせると。選曲や曲順なんかもプロデューサーとの相談で決めたの?
ayu⇒【選曲も曲順もプロデューサーと決めました。何十曲もの候補曲の中から、プロデューサーが選んできて、その中からAyuが選んでっていう作業でした。曲順は詞の内容で決めたかったんで、ほとんどAyuにまかせてくれました。Ayuが生まれたころから、今現在があって未来があるっていう曲の流れになってるんです。でも、最後に「Present」を持ってくるっていうのは、プロデューサー的には譲れなかったみたいですよ】

A song for XX
アルバムをつくるときに、1番最初に制作したのがこの曲。Ayuは、いつもまず頭の中で詞を考えて、完ぺきにでき上がってから書くんだけど、この曲は頭の中ではできてるのに、書けない。文字にするとすごくリアルになってしまって、そこまで踏み切るのにすごく時間がかかりました。
 詞は、子供のころを振り返って書いたモノで、そのころAyuが抱いていた疑問や不安、感じていたことがテーマになっています。もう昔のことだから、隠したければ隠しておけるし、カワイらしい子供にしてあげることもできたし、もっとキレイなお話にしてあげることもできた。だけど、嘘は書きたくないし、たぶんそれをやってたら、このアルバムはできなかったと思う。

Hana
これは家にあった花を見て書いた詞です。思ったことをただ綴ったというよりは、その花に向かって、一所懸命、箇条書きのように質問してる状態です。Ayuは今まで、花って水をあげないと枯れてしまうし、人に助けてもらわないと生きていけない、そういう依存型なところがイヤで、キライだったんです。少しは自分の力で生きろ、ほんと弱っちい子だなぁって思ってた。
 でも、はじめはつぼみだった花が、キレイに咲いたのを見て、そのときに、“花はいつか散ることを知ってるからキレイに咲けるのか?”そうじゃなくて、“すぐに散ることを知らないからキレイに咲いているのか?”どっちなんだろう? って考えたんです。で、Ayuは、きっと散ることを知ってるから、今キレイに咲くことができるんだろう。そうだとしたら、きっとこの子は強いんだって。もしAyuが花だったら、1週間くらいで、真っ黒になって枯れてしまうなんてイヤだし、きっと、どうせ…って思っちゃいますから。Ayuがキライなのを知ってても、それでも、キレイに咲く花。そんな花を見てるときに、くだらないことで悩んでたりする自分をちっちゃく感じてきた。そんな思いが書いてあります。

FREIEND
これは、デビュー曲「poker face」のカップリング曲です。もう、恥ずかしくて、プッ(笑)って感じです(笑)。アルバムを最初から聴くと、この曲の声がちがうのがわかります。でも、このアルバム用に歌い直したくはなかったんです。「poker face」よりも先にこの曲を録ったから、ほんと何もかもがはじめてだったし、ノドに血管が浮くくらいすごくがんばって歌った曲ですから。この曲を聴くたびに、そのころの自分を思い出して、懐かしさがこみ上げてきて、カワイイなぁって思いますね。

FRIEND U
Every Little Thingの五十嵐さん作・編曲です。4曲目に「FRIEND」があって、次にこの「FRIEND II」。別に“続編”っていう訳じゃないんですけど、デビューする前につくった自分の思う「FRIEND」という世界と、今のAyuが思う「FRIEND」はちがうと思うんです。この1年で、今まで生きてきた中で1番多くの人たちと出会ったし、そのいろんな人たちといろんなことがあったから。だから、続編っていうよりは、もう1つの「FRIEND」、「FRIEND(19歳〜20歳)」って感じです(笑)。
 でも、はじめはそんなつもりでつくったんじゃなくて、書いて全部できあがって聴いてみたら、すごく「FRIEND」の世界観に似てるな、きっとこれが今のAyuが書く「FRIEND」なんだろうなと思ったのがきっかけだったんですけどね

poker face
「poker face」を書いたころは、“泣くのなんかいつでもできるし、みんなが泣いててもAyuは笑っててあげる”とか言ってたけど、Ayuが1番泣いてたかもしれない(笑)。きっと、そのころはすごく寂しかったんだと思う。だからこそ、“強く見せよう”とか、“強くありたい”って詞にも書いてたんじゃないかなって。
 この曲とセカンド・シングルの「YOU」を聴くと、透明なガラスを思い出します。ガラスって家の大事なところに使われてて、風を防いだりするし、分厚くて頑丈で、すごく守ってくれてるような感じがするんだけど、でも、割れるときは、バリバリって音を立てて、こなごなに砕け散るじゃないですか。2曲は、そういう繊細で、危うい強さを持ったイメージがありますね。

Wishing
Ayuは、簡単に人と打ち解けられる方じゃないから、友達とかをつくるのがすごく苦手で、友達になるまでにも時間がかかる人なんですけど、ちょうど「YOU」を歌っているころかな? ある人と出会って、友達になって…。その子に宛てて書いた詞がこの「Wishing」です。
 親友と呼べる人が、みんなにも1人はいると思う。友達がいないと生きていけないでしょ。Ayuにもいるし、みんなにもきっといると思う。でもね、友達や親友は一生一緒に生きていくことはできない。たとえば、恋人同士だったら、結婚して一生一緒にいることもできるかもしれないけど…。そんな友達に対して、あなたと一緒に私が幸せになっていくんじゃなくて、あなたがあなたの1番大切な人と幸せになってくれるのを私は願っているし、それが私の喜びです、と綴ったのがこの作品です。

YOU
デビュー曲の「poker face」と同時期に用意されていたこの曲は、Ayuにとって、“自分が歌を歌うんだ、歌手になるんだ”と意識させてくれた作品。「poker face」とこの「YOU」は、誰かのことを癒したいと思ってる自分がいたりしたんだけど、今思うと、そのころほんとは自分が癒されたかったのかもしれない。詞にもでてますね、そういう悩んでいる部分が。レコーディングのときには、体調を崩して、ヴォーカル録りがかなり難航して大変でした。

As if...
「Depend on you」でも作曲をしているカズ坊の曲。Ayuがまだカズ坊に出会ってないころ、Ayuは勝手に、すごい太ってて、ヒゲがモジャモジャって生えてるオジさんなんだろうなぁって思ってた。名前とかで勝手にそういう人だってイメージしてた(笑)。だから、詞を書いてるときも、この曲はそのヒゲがモジャモジャのオジさんが書いたんだろうなって想像しながら書いてた。だから、実物見たときはもうヤラれたって感じ(笑)。全然イメージとちがうんだもん。しかも、年齢は1コ上だし…。だから、それからは、“敬意を表して”カズ坊って呼ばせてもらってます(笑)。
 カズ坊の曲は、アルバムでは「Depend on you」とこの「As if...」しかないんだけど、2曲ともすごく好きですね。Ayuの“好き好き細胞”をつっついてくるんですよ。きっと、Ayuのツボをわかってるんでしょうね、カズ坊は。

POWDER SNOW
これは、いわゆる世間に浸透しているAyuのイメージを壊そうと思ってつくった曲です。よく言われるんですよ「Ayuの歌はいつも前向きで、さわやかで、元気で明るい」「応援歌やメッセージ・ソングを歌う存在だ」って。もちろん、Ayuの歌でそうやって勇気づけられたりする人がいることはすごいうれしいし、すごいことだとも思うんだけど、でもAyuってそれだけじゃない。すごく落ち込むときだってあるし、ひとりで悩むこともある。いつも騒いでるわけじゃないし、いつもヘラヘラしている訳じゃない。
 「POWDER SNOW」で、伝えたかったのは、決してポジティヴでいることがいいことで、ネガティヴになることが悪いことだったり、カッコ悪いことだとAyuは思ってないよってこと。ひとりで考え、悩むこともときには必要だと思うし。
 曲は静かな幕開けから、サビへ向けて、序々に盛り上がっていくドラマティックなバラードです。トラッキングに参加するのは、このアルバムがはじめてだったんだけど、1番最後のギター・ソロは何小節にするかとか、鐘の音を入れて下さいとお願いしたりとか最後までいろいろとアイデアや意見をだした作品です。

Trust
5月の終わりころに、ロスのホテルの部屋で詞を書いてたんだけど、ドンドン落ちていって書けなくなったから、プロデューサーやスタッフ、みんなを“外にでよう”って誘って、車に乗って4時間くらい同じ場所をグルグル回ってたときに書けたのがこの「Trust」。この詞は、何にも言わないで、だまって4時間も一緒に車に乗っててくれた、そういうスタッフたちのあったかい空気の中でだからこそ、書けたんだと思う。書くことを辛いと感じずにすんだし。ほんとはみんな、“まだかよ”って思ってたんだろうけど…(笑)。
 それと、詞ができあがったときに、1番最後のサビで“信じる”という言葉を2回も使っていて、それを発見したときに“Ayuは、この曲でなんか変わるんだろうな”“何か信じられるモノをAyuは見つけたんだな”って思った。“信じる”という言葉を2回も使っている自分に驚いたけど、すごくうれしかったんです。
 プロモーション・ビデオは、前の2作よりもストーリー性を重視した作風。それと、プロデューサーから「今まではあまり表情がないビデオだったから、いろんな表情のAyuをだしてほしい」って要望があったんで、泣いてたり、笑ってたり、怒ってたり…いろんな表情のAyuが見られると思います。

Depend on you
「Depend on you」は、“どうするの?”とか“気付いたの?”とか、シングルでは、はじめてクエスチョンマーク(?)がつく作品です。
 「poker face」や「YOU」では“強く見せてる自分”がいて、「Trust」は“信じる”という言葉を使うことができて、「For My Dear...」のときは“歌うことの意味”を考えた。そして、その次の'98年を締めくくる「Depend on you」は? ってきたときに、Ayuはこの1年で何が1番変わったんだろう? って考えたら、それはやっぱり人を信頼できるようになれたことだと思った。で、そう考えたら、Ayuは自分のことも信じられるようになったんだって思えた。だって、自分を信じられないと、人のことは信用できないでしょ? そうやって、自分を好きになることができて、自分を信じられるようになったんだと思ったときに、今までよりも少し強くなった気がしたんです。
 今のAyuなら、誰かを受け止めることができるのかな? って。受け止めるって言っても、すごく弱ってたりする人を守ってあげて、あとはAyuがやっておいてあげるから、とかそういうことじゃなくて、何かにつまずいたり、迷ったり、立ち止まったりしたときに、自分のところに来て泣くのもいいし、怒るのもいい。何をしてもいいけれど、でも最終的に答えをだすのはあなたしかいない。でも、そのときは私は背中を押しますよっていう。「Depend on you」は、そんな強さを今のAyuは少しだけ身につけたのかな? と思って書いたんです。

SIGNAL
「SIGNAL」は、車を運転しているときに信号待ちで信号をボォーっと見てるときに思いついた曲です。そのままですね(笑)。
 思い出っていつもキレイで、どんどん美化される。人間みんないいところだけしか思い出さないし、イヤなことなんて都合よく忘れちゃう。それに、オジさんとかは「あのころはよかったなぁ」ってよく言うでしょ。でも、そのころに戻ればきっとイヤなことや目をつぶりたくなることもあると思うんです。
 こういう仕事をしていると、いいと言う人もいれば、すごく大きなバツをだす人もいて、自分を評価されることが多い。そういう大きなバツをだす側の人間のことが、気になりだすと、Ayuも“あのころはよかったな”って思うこともある。でも、よく考えてみれば、イヤなこともいっぱいあったし、忘れたい過去だっていっぱいある。だからこそ、過去でもなくて、未来でもない、今を一所懸命生きよう。この曲は、そんなAyuからのメッセージが込められています。

from your letter
Ayuは手紙が好き。書くことも好きだし、もらうのもすごく好き。人から何か口で言われても、きっと明日になったら忘れてるんだろうなとか、今、ノリで言っただけなんだろうなとか考えちゃう。だけど手紙はちがう。手紙をもらうと、きっと書いた人は、書いたあとには読み返したんだろうなとか、そのときに自分の意思に沿ってないものがあったら書き直すんだろうなって思うし、だからこの手紙はきっと本当なんだなって思える。それに、手紙は形として残るから、ヘタなことは書けないでしょ。Ayuにとって手紙はすごく重要なモノですね。
 この曲を書こうと思った時期にも、ほんとに偶然すごくいろんな人から手紙をもらって、改めて手紙ってすごいなって思った。書き直してあったりするところを見るとちゃんと読み直すし、ここはちがったんだ、ほんとはこっちが言いたかったんだとか思ったりする。そんな手紙を読んでいるうちに、Ayuも手紙を書こうと思ってできたのがこの曲。でも、“私”とか“あなた”とかっていう言葉にしちゃうと“ラブレター・”って感じでしょ? そういうのじゃなくて、もっとさっぱりした手紙にしたかったから、“僕”って言葉をはじめて使ってみました。

For My Dear
この曲を書かなきゃいけない時期には、前のシングル「Trust」を、自分の想像以上にみんなが気に入ってくれて、それにビックリしちゃって対応できなくて、素直に喜べず、恐いと思っていた自分がいました。もちろんうれしい気持ちもあるんだけど、“Ayuって何なんだろう?”“何でAyuは歌を歌うのかな? 昔から歌手にすごくなりたくて歌の勉強をしてきた人でもないのに…”とかいろいろ悩んだりもしました。
 Ayuは小さいころからしゃべっていろいろ伝えるのが苦手で、ものすごい人見知りもする人で、すぐ真っ赤になって下を向いちゃうような子だった。だから、いつも言いたいことが上手く言えなくて悔しい思いをしてきたし、どうやったらAyuの思ってることが人に伝わるんだろうとか、Ayuの存在を伝えるためにはどうすればいいんだろうって思ってた。
 そんな自分の子供のころを思い出して悩んでたときに、そうだ今のAyuは歌を見つけたんだと思った。詞を書いて、それを歌う。そのことに出会って、言いたいことを少しずつ少しずついろんな人に伝えられるようになったんだって。その気持ちを書けばいい、「For My Dear...」はそう思って書いた作品です。

Present
『A Song for XX』は、最初15曲入りにして、この「Present」はシークレット・トラックにしようかって話もあったんです。ほんとに聴きたいって思った人は、アルバムの最初から最後まで全部ちゃんと聴くから、16曲目もあるんだって発見するけど、この曲だけって人はその曲しか聴かないから、発見できない。最後まで聴いてくれた人だけにしか発見できない曲にしようかなって思ったんだけど、それもヤラシイかなって(笑)。
 このアルバムは、Ayuが生まれたころから今現在があって未来があるっていう曲の流れになってるんですけど、その1番最後はどう締めくくろうかと思ったときに、浮かんだのはプロデューサーやスタッフの顔だったんです。その人たちがいたから、みんなの愛があったからここまでこれたんだ、アルバムがだせたんだって。だからそれに応えたい、Ayuのことを支えてくれるみんなに感謝の気持ちを込めて詞を書きたいと思って書いたのが、この「Present」です。


ayu-mi-x
まずは、120万枚を超えるセールスを記録中のファースト・アルバム『A Song for XX』の反響について聞かせてもらえますか?
ayu⇒【よく、人から“スゴイね”とか言われるんだけど、実感は全然ないんです。それにね、たとえばどこかのショップのお姉さんがAyuのアルバムをかけてくれてるとするでしょ? でも、それを聴いても、“自分の歌だ!!”っていう聴き方ができなくて“浜崎あゆみのアルバムだ!!”“アッ『A Song for ××』だ!!”っていう客観的な感覚で聴いてる(笑)。正直言うと、Ayu自身が『A Song for ××』をだした浜崎あゆみについていけてないと思う。だから、両手挙げてバンザイ!! っていうよりは、もがいてるって感じ。】

■それは、ホントの実体であるAyuよりもアーティスト・浜崎あゆみが2歩、3歩先を行ってる感じ?
ayu⇒【うん。見当もつかない状態になってる(笑)】

■確かに、向こう(アーティスト・浜崎あゆみ)はものすごいスピードで加速してるし…。でも、今年の浜崎あゆみはさらに加速していくって聞いたけど。
ayu⇒【今年は、毎月何かしらをリリースしたり、展開したりする予定です
去年の倍のペース!! A:そう。その忙しさに今の自分が追いつけていなくて、もがいてるところもあるんだけど、ごまかしたりとか、忙しいから後回しとか、気がついたら終わってるなんてことにはなりたくない。それに、実体である“Ayu”と“浜崎あゆみ”が離れてしまった、みたいなことにもなりたくないしね】

■ここで、その距離を埋めるか、もしくは詰めないとね。
ayu⇒【1度離されたら追いつけないと思うから、がんばってます】

■そんなハードなリリース・ラッシュが続く中で、また新たなアイテム、初のリミックス・アルバム『ayu-mi-x』がリリースされましたね。
ayu⇒【いろんな人に“リミックスって曲の世界観やイメージもあるし、自分のヴォーカルをバラバラに崩されたりするのイヤでしょ”とか言われるんだけど、そう言われてみて“そうなのかなぁ?”って思うくらいで…】

■自分で聴いてみた感想はどんな感じ?
ayu⇒【自分の書いた詞の1番と2番が逆になってたり、ヴォーカル(声)も1つの素材みたいに聴こえた。今回このリミックス・アルバムを聴いてみて、リミキサーの人たちをスゴク尊敬しましたね。】

■自分にないセンスや才能、技術や感覚を持ってる人って、スゴイなって思うよね。でも、逆にリミキサーの人たちからすれば、歌が歌えて、詞も書けるっていうのは、素晴らしい、尊敬に値することなんだと思うよ。
ayu⇒【うん。そう言ってもらえるとうれしい。】

■『ayu-mi-x』はこんなにイジッちゃっていいの? ってくらいすべての曲が個性的だよね。
ayu⇒【もう、みんな作曲家だよね。】

■リアレンジ、リミックスというよりは、生まれ変わって新しい曲になってる。
ayu⇒【詞もいきなりBメロの真ん中の方のひと言だけ抜いてたりして…(笑)。きっとこのリミキサーはこの言葉がスゴク心に残ったんだろうなってわかる。あと、1番最後までちゃんと聴かないと、どの曲なのかわからないのもある】

■イントロがすっごく長い曲も。
ayu⇒【そうそう。リミキサーの人が好きな言葉、単語しか並べてなかったりするから、この曲、なんだろう?? って。】

■『A Song for ××』をつくった人がそうなんだから、歌えるくらい聴き込んでいる熱狂的なファンの人でも、きっとそういうのはあるんだろうね。
ayu⇒【絶対みんなもあると思う、“これなんの曲だっけ”っていうのが。正直、最初にプロデューサーのmax matsuuraさんからリミックスの話を聞いたときは、抵抗があったんだけど、全然OKって感じ。】

■プロデューサーの中では、きっと“リミックス・アルバムをだそう”って思ったときに明確なヴィジョンやサウンドが浮かんでいたんだろうけど、それを人に寸分の狂いもなく伝えるのってスゴク難しいし、“リミックス・アルバムをつくるんだよ”、“『A Song for ××』がクラブ風のサウンドになるんだよ”って言われても、どんな風に曲が変わって、どんな風に仕上がってくるのか、言葉だけではまったく想像がつかないもんね。
ayu⇒【そうなの。今回のリミックス・アルバムは、Ayuとプロデューサーとで話し合って決めたことなんだけど、Ayuはリミックスとかよくわからなくて…。でも、何年、何十年も音楽、ダンス・ミュージックに関わってきたプロデューサーが、リミックスっていうジャンルについて時間をかけて、一所懸命説明してくれたからスゴク納得できた。】

■今回のリミックス・アルバムは2枚組で、“リミックス・クラブサイド”とは別に、もう1枚“アコースティック・オーケストラサイド”というアコースティック・ヴァージョンを収録した「あゆ-み-っくす」があるじゃない。これも面白い試みだよね。
ayu⇒【2枚組なのが?】

■だって、クラブ風にアレンジされたサウンドとアコースティック。技術を駆使したリミックスと、楽器だけで構成したシンプルなアコースティックって対極にあるようなモノじゃない。どうして、その両方を取り入れたの?
ayu⇒【Ayuは、アコースティックのようにシンプルな感じのモノが好きだから、プロデューサーに“リミックスをやるんだったら、アコースティックもやろうよ!”って。結果、その意見が採用されたと。
ayu⇒【そう。アコースティックの方はバイオリンの音しかないのもある。聴く人にとってはその方が面白いんじゃないかなって思って。】

■プロデューサーとアーティスト、2人の意見がまとまって、2つの異なるモノが1つになった訳だけど、結果的には大成功だと思うよ。斬新だし。
ayu⇒【どんどん面白いことはやっていきたいと思う。】
 
■それにいろいろ意見を言えたり、アイデアを取り入れてもらったりできる状況っていうのは、きっといい状況なんだと思うよ。
ayu⇒【うん、そう思う。言いたくても言えない人もいると思うし、言ったところで、聞き入れてもらえない人もきっといるしね。】

■『A Song for ××』が世間に認められたから、この話が浮上したんだと思うし。DJの人たちだって、素材がよくなきゃ、リミックスのしようがないしね。でも、これだけいろんなタイプの個性的な曲があるとどのリミックスやオーケストラ・ヴァージョンが1番人気なのか集計したくなる。
ayu⇒【そうだねぇ、やりたいね!!】


LOVEppears
セカンド・アルバム『LOVEppears』というタイトルの由来から教えてもらえる?
『LOVEppears』は、LOVE(愛)とappears(〜のように見える)という単語をミックスして、Ayuがつくった造語だそうだけど、これにはどういう意味が込められているの?
ayu⇒タイトルの『LOVEppears』は“愛のように見えるモノ”と、“目に見えるモノとのギャップ”という2つの意味を込めて付けたんです。LOVEはジャケットのデザインを考える時に使おうと思った言葉で、“LOVEppears”にしたのは、タイトルで悩んでた時に“英語の単語はAとBをくっつけて新たな言葉Cが生まれることがあるんだよ”って教えてくれたスタッフがいたから。じゃあAyuが“LOVE+appears=LOVEppears”って新たな単語をつくってもいいかなって思って…。】

■当初から決めていたLOVEにappearsを加えたのはどうして?
ayu⇒【ジャケットの撮影でニューヨークへ旅立つ前、車の中から窓の外を眺めてた時に、スゴク幸せそうなカップルがいたんだけど、でも、実際の2人はひょっとしたら、今、重大な危機に面しているかも知れないし、ホントは別れ話をしている最中かも知れない、そう感じた自分がいて“〜のように見える”の意の単語“appears”を付けたの。実際に接してみないと、触れてみないとわからないこと。見かけやイメージだけで、勝手に良い風にも悪い風にも判断してしまうことが多いけど、本当はそうじゃないんだなってこと】

■まさに“目に見えるモノとのギャップ”。でも、そういう風に第三者的に物事を捕らえ、感じたりする詞の書き方はファースト・アルバムのころにはなかったよね。ちなみに僕は、その傾向は「TO BE」で少し「Boys & Girls」辺りからは比較的ハッキリと表れてきたと思うんだけど、Ayuはどう思う?
ayu⇒【うん、変わってきてると思う。】

■それは自然発生的に変わったと思う? それとも自分が変えようとした結果そうなったと思う?
ayu⇒【いろんなことを吸収して成長した後変わった、というよりは、自分はファースト・アルバムから何を吸収したのか? また、この1年で何が起きたのか? そういうのを日々考え、意識して、把握した上で、自分自身が変えよう(変わろう)として詞を書いていたから、その結果じゃないかって思ってる。】

■サウンド面では「Boys & Girls」の辺りから、ハード・ハウスやレゲエなんかのテイストを取り入れたリミックスを数多く収録するようになったね。
ayu⇒【あれは、セカンドアルバムにもそういうテイストの音を入れようというプロデューサーの考えでそうしたの。王道のリミックスとコアなアレンジの両方にしたのは、最近、そういう音づくりを始めてからAyuを好きになってくれた人たちと、デビュー当時からずっとAyuのことを応援してきてくれた人たちみんなにわかりやすく伝わるようにと思って】

■このアルバムの伏線だったと。
ayu⇒【うん。あと、『A Song for XX』のころは、例えば悲しい時、切ない時は“とても悲しいです、切ないです”って伝え方をしてた。静かに泣いて、静かに傷ついて、静かに悔やんでたり。でも『LOVEppears』では、悲しみや、切なさを激しい音で表現したり叫んでたりする。切ないという点だけ見れば変わりがなかったりするんだけど、、も今年のAyuはスゴクそういうテンションだったから、そうしてた。ただ、今回のアルバムがそうだからって、次回もそうなのか? っていうとそれはわからない。もしかしたら次のアルバムはファーストのころの音に戻るかもしれないし、別の方にいっちゃうかもしれない。】

■ところで、このインタビューをする前にプロデューサーであるmax matsuura氏に聞いたら、彼は“Ayuは細かな裏方的作業まですべて自分でやっているし、Ayuのやってることはもうプロデューサーの域まで達しているから、ホントはProduced by ayumi hamasakiと明記してもいいと思っている”って言ってたんだけど、それについてはどう思う?
ayu⇒【何度か“Produced by ayumi hamasakiにしろよ”って言われたことがあるんだけど、Ayuはプロデューサーはmax matsuuraじゃなきゃ意味がないと思ってる。実際何かをやって表現するのは、Ayuだったりもするけど、でも、なぜそれをするのか? 自分をそこまで動かしてるのは何なのか? って考えたら、それはやっぱりmax matsuuraだと思うし…。だから、自分も含め、他の人間がプロデュースする浜崎あゆみには、Ayuは興味がないんだよね】

■そんな言葉を言ってもらって、きっと、max matsuura氏はプロデューサー冥利につきるんだろうね。では、最後にアルバム・リリース後、2000年はどんなスケジュールになってるの?
ayu⇒【アルバムを出してからは、また始まりっていう感じで、シングルを何枚かリリースする予定。それからは…。う〜ん、きっと何か…あると思う(笑)】

■意味シンな“何か…”だね。
ayu⇒【うん。でもそれはまだ秘密】


Duty
いよいよ『Duty』がリリースされますが、いつぐらいから制作には入ったんですか?
ayu⇒【曲をちゃんと選び始めたのは、全国ツアーが終わってからなんです。だから、“9月に出すのは無理でしょ”とか 勝手に思ったんですけどね(笑)】

■ツアーが終わったのが8月9日だから、そう思うのも当然かもしれませんね。それでも、ちゃんと出来上がって、発売にこぎつけたわけですが、そのツアーの影響っていうのは、何かありましか?
ayu【ツアーで得たものは大きくて、それはこのアルバムにすごく反映されてると思います。でも、ツアーが終わって得たもので、アルバムをつくったというよりは、ツアーが始まる前に3部作(「vogue」「Far away」「SEASONS」)があって、その頃の自分がいて、ツアーをやりながら、闘ってた自分があって、そして最終的にツアーを終えることができて、いま楽しく過ごせてる自分がいてっていう、その全部の流れを入れたって感じです】

■そういえば、アルバムの曲の並びも、基本に3部作がリリース順に並んでいて、その3作の間を埋めるように新しい作品が入ってるっていう感じですよね。だとしたら、最後に収録されてる「girlish」は、何らかの結論とか、答えってことですか?
ayu【う〜ん。そうだと思います。ここからは“こんな感じで行こうよ”みたいな…。】

■ファースト・アルバムの「present」やセカンド・アルバムの「who...」を思うと、この曲が最後っていうのは、今まででは考えられなかったような終わり方ですね。
ayu⇒【普通だったら、「Key〜eternal tie ver.〜」とかで終わってますよね】

■そうですね。でも、「girlish」はすごくいい詞だと思いました。いつものように、最後の曲なんで歌詞カードに詞は載ってませんが。余分な力の入っていない軽い感じが、すごくいいと思って。
ayu【いまのあゆくらいの年齢のコとか、ちょっと上とか下だったりするコたちと集まって、話ながら、出来ちゃったような感じの詞ですよね。詞的には】

■でも、詞を書いた順番は、この曲順どおりじゃないんですよね?
ayu⇒【バラバラです。一番最後に出来たのが、たぶん「SURREAL」です】

■今回のアルバムと同時リリースされるシングル曲ですね。いつも地に足のついた現実的な詞を書く浜崎さんにしては、何か不思議なタイトルだなと思ったんですけど?
ayu⇒【何かすごく現実的なことを書きたかったっていうか、あゆはよく現実逃避する癖があるので、現実的なことを書いて、そういうタイトルにしたいと思ったんです(笑)だから、詞の“いくらどうでもいいなんて言ったって 道につまづけば両手ついてる”っていうのも、実は友達の話なんです。そのとき彼女は、“どうせ私なんて、どうなってもいいわ”ぐらいのことを言いながら、すごく泣いてたんですよ。なのに転んだら、パッと手をついて、思い切り自分を守ったんですね。それを見ながら“ああ、どうでもよくないんだなぁ〜”と思って。たぶん、あゆも“もうどうにでもなれ”って思っていても、道ですっ転んだら、とりあえず自分を守ると思うけど(笑)】

■そういうところに詞のきっかけがあるっていうのは興味深い話なんですが、でもその冷静な視点は何なんでしょうね?
ayu⇒【アハハハ…。何か、それがすごい印象的で、そんなもんだろうなって気がしたから。】

■そんな風に、冷静に観察してると、他人のいろんな裏側まで見えちゃって、不幸になりますよ。
ayu⇒【ウソー。どうしよう?(笑)】

■いやぁー、何かするにはもう遅いっていう気もしますが…。で、本題に戻ると、この詞を読んで、人が自分の好きなものを見つけることも、それを思い続けていくことも大変なんだよなと改めて感じたんですよ。
ayu⇒【そうなんですよね。だから、好きなことを見つけられる人って、すごいと思います。でも、そうやって好きなことを見つけても、たとえば、好きでモデルになりたいと思っていても、大人は“モデルなんて”とか“ちゃんと就職して働けよ”って言うよなって思ったんですよ。好きなもの、夢中になれるものがあるってことは、それだけですごいんじゃないのみたいなことを思いました。】

■それと、アルバム・タイトルにもなっている「Duty」について聞きたいんですが…。
ayu⇒【これは昔の「vogue」を書く前とか、その辺の自分の状況みたいな感じです。でも、詞の“自分の番だって事は”っていうのは、別に自分のことを言ってるんじゃなくて、それぞれの君たちの番でしょっていう意味です。その中にはもちろん自分も含まれてますけど。たとえば、アーティストで言うなら、昔からずっといろんな人がいて、誰々さんがいて、誰々さんがいてって、そうやって時代はずっと移り変わってきてますよね。そして、その移り変わるところもみんな見てるでしょ。それはアーティストだけじゃなく、何にしても。そうやって歴史が塗り替えられて、ひとつの時代が終わっていくのを見ていて、いつまでも自分らも若いわけじゃないし、いつまでも傍観者でいられない。だから「エッ、わかんない」なんていつまでも言ってられないよって思ったんです。】

■それが、このタイトルに、どうつながっていくんですか?
ayu⇒【そのことを伝えるのが、今のあゆがやるべきことっていうか、自分のすべきことみたいに思ったから】

■あと、昨年の“白あゆ”“黒あゆ”に続く、ジャケットの“豹あゆ”が気になったんですけど、これはどういうところから?
ayu⇒【なんとなくやりたかったから(笑)。以前は「何で、白あゆと黒あゆにしたいのか?」とか理由がないと絶対イヤだったんですけど、最近は意味を持たない行動があまり怖くないんですよ。で、“やっちゃえ”みたいな。

■それって、すごく「girlish」っぽいし、今の浜崎さんを象徴してる感じですね。今後もっと暴走しそうっていうか…。
ayu⇒【本当に、今、暴走してるんですよ(笑)】


A BEST
『A BEST』というタイトルの由来について聞かせてもらえる?
ayuy⇒【“インパクトが強い&わかりやすい”って理由からだね。あと、ayuのことを知らない人が見ても、“浜崎あゆみっていう人がベストを出したんだ”ってことが“ひと目で”わかるように】

■『 BEST』はayuにとってどんな作品? あと、どんな内容かを簡単に教えてもらえる?
ayu⇒【『 BEST』は、“デビューしてからの3年間をまとめた作品”って言うよりは、“自分が生まれてから2000年まで=20世紀を集約した作品”だと思ってる。だから、19枚目のシングル「M」までが入ってるんだけどね。通常のベスト盤のように、シングルをただ単に収録しただけじゃなくて、アルバムからも曲を出したり、数曲を歌い直したり…今までの自分=浜崎あゆみをわかってもらう作品としていいモノが出来たと思うよ】

■ベスト盤なのにデビュー曲である「poker face」が入ってないでしょ。これは、スゴク斬新だけど、ちょっと反則に近いよね? 収録曲の情報を聞かないで購入した人たちは、きっと最初ビックリするよ。
ayu⇒【そうかもね(笑)『 BEST』っていうタイトルを聞いた時には、当然「poker face」からなんだろうなって想像するだろうし。でも、今回、ayuが決めたテーマは“どの曲を聴いても耳馴染みがある”だったから。それに、「poker face」や「YOU」、「Trust」。デビュー1年目に出したシングルは、まだ探りながらやってた部分も多いし、特にこれじゃなきゃいけないっていうよりは、どれを入れてもそんなに伝えたいことは変わらないと思ったんだよね、聴く人にとって。で、デビュー曲から3曲の中で「Trust」を選んだ。今回は、全体的にそういう選び方をしてるかな】

■オープニングはayu自身を描いた「A Song for XX」だね。
ayu⇒【うん。最初の曲は「A Song for XX」しかないって思ってた。初期の浜崎あゆみは全てそこに集約されてるし。「A Song for XX」を入れたことで、それ以前に出したシングルで伝えたかったことっていうのは、大体わかってくれたと思う。今までayuを全く知らなかった人たちも…。「Trust」と「Depend on you」は、それをもっとわかりやすくするために入れたって感じかな。】

■「A Song for XX」、「Trust」、「Depend on you」の3曲は今回新たにレコーディングしてるけど、これらを歌い直そうって思ったのは?
ayu⇒【当時の音源たちは既に1度CDになっていて、CD屋さんに行けば置いてあるから、誰でもいつでも聴けると思うんだよね。だけど、昔の曲を今のayuのヴォーカル・アプローチの仕方で歌うのは、ライヴに来ない限り聴けないでしょ? ただ、ライヴに来られる人数っていうのは限りがあるし…。それに、ライヴはよっぽど興味がなければ足を運ばないじゃない(笑)】

■そうだね。それにそう何度も聴けないし。
ayu⇒【そういう部分(気持ち)からかな? 今のayuの感じ=ヴォーカル・アプローチを気軽に、気負うことなくつかんでもらいたい、そういう作品にしたいって思ったんだよね。あとさ、サード・アルバム『Duty』ぐらいから、曲を書く人間が変わったりもして、単純にスゴク変わったでしょ? 今でもそうなんだけど、その頃から新しいことをやろうとしてる自分がいて、音的にもそれまでとはちがったモノを…と思ってやり始めたから、それら全てを単純に並べた時にその3曲が聴き難かった。だから歌い直したんだよね。】

■でもさ、1度完成したモノを改めて歌い直すのは大変だったでしょ?
ayu⇒【うん、難しかった。新曲のレコーディングとはちがって。ヴォーカルもひとつの楽器として、全部含めてその曲だって記憶をしてるし、昔の自分のヴォーカル・アプローチの方法がインプットされてるからね。それに、ヴォーカルだけ録り直すのは、例えばオケが出来上がってるのに、ギターだけ変えて下さいって言ってるようなものだしね。
あと、その他の楽器に今のヴォーカルをどう調和させていけばいいのかもわからなかった。だから初めはすごい違和感があったし、“やっぱりちがうのかなぁ?”って思うことも何度かあった。】

■最終的に収録はされなかったけど、その3曲の他にもレコーディングした曲が数曲あるって聞いたんだけど…?
ayu⇒【うん。ホントはあと3曲くらいレコーディングしたんだけど、結局、使わなかった。でも、何で知ってるの?(苦笑)ナイショなのに(笑)。その(収録しなかった)3曲はね、全然悪いとかじゃなくて、ちゃんと出来てるんだけど、何かがちがうっていうか…聴いてくれる人が違和感なく、自分のヴォーカルがオケのジャマをして足を引っ張ることがなく、聴いてもらえるかな? って自分自身納得出来るレベルにまでは到達しなかったんだよね。】

■完成はしてるのに、あえて収録しなかったと。
ayu⇒【そう。だから、最初から(収録されている)3曲だけを歌い直そうと思ってたわけじゃないんだよね。

■最後に『LOVEppears』『Duty』と凝ったジャケットが多かったけど、今回はどういう理由からモノクロのシンプルなジャケットにしたの?
ayu⇒【オリジナル・アルバムは、その時々、時代を反映させたいというか、“ayuを見てその時の現象がわかる”みたいな感じにしたいんだよね。例えば『Duty』だったら“そーいえばあの時、豹柄流行ってたよねぇ”って言えるように…。ただ、ベストっていうのは、いつのモノでもないって言うか、いつ聴いてもベストはベストでしかないから。だから、流行り廃りのないモノ、時代を感じさせないシンプルなモノにしたいなぁと思ってモノクロにしたんだよね。】


I am...
アルバム『I am...』に込めたテーマから聞かせてもらえる?
ayu⇒【アルバムをつくる時はいつもテーマがあってからつくるんだけど、今回は今までにないぐらい制作期間(時間)がなかったコトもあって、テーマから入らずに、自分のつくりたい音=表現したい音を、とにかく形にする作業から入って…。だから今回のアルバムに関しては“こういうアルバムにしよう!”みたいな始まり方ではなかった。でもね、途中で全然統一感がないことに気が付いてスゴク焦ってさ(苦笑)】

■最終的にはどうやって自分の中でひとつのモノにまとめたの?
ayu⇒【このアルバムの中で一番最後につくった「Naturally」の最後のサビの部分に♪自由と孤独わけ合って♪という部分があるんだけど、ayuは“アルバムをつくるにあたって、きっとそういうモノがずっとベースにあったんだな”と気付いたんだよね。今まではさ、自分の中、ayuって人の中には、そういうモノをわけ合おうとすることはなかったし…。同じように感じるコトはできるけど、でもちがう人間なわけだから最終的には“わかり合えないんじゃないか”、結局“人はひとりぼっちだ”みたいなところがあるじゃんayuって。】

■あるある! って言っていいのかな?(笑)
ayu⇒【“求めながらも諦めてた”部分が心のどこかにあったんだけど、その「Naturally」の詞を書いた時に、私は諦めなくなったんだなって気付いた。今まではさ“わかる人にだけわかればいい”みたいな感じだったのが、“伝えても伝わらないなら伝わるまで叫ぶ”みたいな感じに変わったんだよね。】

■続いて、今回のアルバムのタイトルを『I am...』にした理由を聞かせてもらえる?
ayu⇒【全体を通して“ありのままの自分をぶつけた”という気持ちがあったから『I am...』っていうのも、もちろんあるんだけど、でもそれだけじゃない。「Daybreak」の中に♪こんな時代のせいにして顔を失くしたまま♪という部分があるんだけど、ayuは今は“顔のない人(=無個性=同じような人)”がスゴク多い時代だなと思うんだよね。でも、それってスゴク悲しいコトじゃない。】

■うん、そうだね!
ayu⇒【そんなコトを思いながら、番長(ayuのネイルを手がけている人=三浦加納子さんのアダ名)がネイルの本を12月に出したんだけど、その帯に載せるayuからのメッセージを考えてた時に、番長がつくった作品=ネイルには番長の“顔”が残ってると思ったんだよね。例えば、雑誌にネイルの特集があって、爪の写真が100個くらい並んでいるとするでしょ? でも、その1つを番長がつくっていたとしたら、“その作品が持っている番長の顔”を見つけられる自信があるし…。】

■簡単に言うと“顔”=“個性”になるのかな。でもさ、作品の中に自分の“顔”を残すっていうのは口で言うよりはるかに難しいよね。
ayu⇒【うん、そうだね! でね、今度は自分を省みて、私の作品はどんな“顔”を残してるんだろう? って思った。ラジオや有線なんかでいろんなアーティストの曲がランダムで流れるじゃない? それがもし全て同じような声の処理をされたとしたら、それでも聴いた人が“この曲はayuのだ”ってわかるぐらい私は“顔”を残してるかな? って。そしたら、今度は“私は誰だろう? ”って考え始めて、で次に“周りの人たちは誰なんだろう? ”って…。簡単に言うと、『I am...』の“...”の部分をスゴク聞きたい。“あなたは●●さんですよね?で、誰なんですか?”っていう“...”の部分を。聞かれた人はきっと自分自身で“I am 何だろう?”って考えるだろうし。『I am...』にしたのはそういう理由からなんだよね。】

■その人個人の名前や上っ面なんかじゃなく、その中身っていうか存在みたいなモノを問うって感じなのかな?
ayu⇒【うん。“シンプルで基本的なんだけど、でも実はスゴク大切な事”だとayuは思うしね。 ところで、今回の『I am...』は4枚目のオリジナル・アルバムになるわけじゃないですか。で、アルバム4枚を分析&比較してみたんだ。まず、1枚目の『A Song for ××』は“自分はこう伝えたい!”っていう自分発のエネルギーが込められたayuのスタート地点だと思うんだよね。】

■ところで、今回の『I am...』は4枚目のオリジナル・アルバムになるわけじゃないですか。で、アルバム4枚を分析&比較してみたんだ。まず、1枚目の『A Song for ××』は“自分はこう伝えたい!”っていう自分発のエネルギーが込められたayuのスタート地点だと思うんだよね。
ayu⇒【うん。私ってこうなんですみたいなね。】

■で、2枚目の『LOVEppears』は周り(世間)を見始めたayuがいて、今、自分が置かれてる立場から見た周りを書いたんじゃないかって。3枚目の『Duty』は周りから見たayuだと思ったんだよ。で、じゃあ4枚目の『I am...』は何なんだろう? って思った時に…やっぱりayuの原点=自分発のエネルギーなのかなって気がしたんだよね。
ayu⇒【なるほど…深いねえ。うん! そうかもしれない。】

■そう言ってもらえるとうれしいよ。でさ、今回のレコーディング時に何度かスタジオを訪れたけど、その時はちょうど難航している感じだったよね。
ayu⇒【うん。1番大変なタイミングだったかも。詞が書けなくてさ(苦笑)。でもね、生みの苦しみみたいなのは常に伴うし、もちろんこのアルバムをつくる時にもあったんだけど、でも今回は孤独じゃなかった。今までに比べると断然! 今まではさ“作品をつくる”=“私1人で自分と向き合って”みたいな、“スゴク孤独で地味な作業”だったんだけど、今回はそういう“陰に陰に”みたいなのがあんまりなかったし。だからスゴク楽しかったんだよね。なんか自分自身全然ピリピリしなかったしね。いい意味で肩の力が抜けたラフな感じだったと思う】

■最後に今回のジャケットのイメージに関して聞きたいんだけど…。
ayu⇒アルバムのジャケットはタイトルが『I am...』だし、最初からあまり飾り立てるイメージはないなって思ってたんだよね。で、いろいろ考えたんだけど、今回は余計なモノは入れない方がいいなって思って…。で、“ナチュラル”な感じにしたんだよね】

■イメージ的には、天地創造の時代=地球が生まれたばかりの頃、その頃は何もなかったけど、でも何もなかったからこそ自然も守られてたし平和だった…。ayuの言葉=ナチュラルを説明するとそういう感じになるのかな?
ayu⇒【そうだね!】

I am...
アルバムのタイトルにもなっている「I am...」。“私は私。そして他の誰でもない…”という意味を込めてつくったこの曲は、今回のアルバム曲の中で一番初めにできた作品。ayuという存在の中の“核”になっているモノ。それは、“ずっと変わらない自分の一番尖ってる部分”と“(でも同時にそれは)欠落してる部分”でもあるという心の叫びを書いた曲。これは、ずっと変わらないと思うし、変わらずにあり続けるとも思う。でも、そういう部分をなくして“丸く”なりたいとは思わないんだよね。

Connected
最初にこの曲を聴いた時、トランスだし、シンセがバリバリな感じで、ayuとの融合は無理だろうなと思ったんだよね。私は上手に英語を使っていける人じゃないし、きっとそういうayuじゃない誰か別の人の方がトランスっていうジャンルには合うんじゃないか? とも思ったし…。でも、フェリー(=システムF)から“どうしても書いてほしい!”って強いアプローチがあって。で、“どうしようかな?”って考えて、この曲には、外に対してメッセージを発信したり、仕事的な感覚で“詞”を書くんじゃなくて、なんかもっと楽に“友達に手紙を書くみたいな気持ち”のモノがいいなと思ったんだよね。
 で、フェリーに手紙を書くコトになったんだけど、“ayuらしいアプローチ”をいろいろ考えて、“言葉遊び”と言うか“日本語の遊び”がいいかなと。“見つけて(ミツケテ)”“見つめて(ミツメテ)”“見定めて(ミサダメテ)”とか似たような言葉が続いてて“類義語辞典”を開いたみたいでしょ。でもね、これが思った以上に大変で…(苦笑)。まず、同じような響きの言葉をいっぱい出して、で、その選出した言葉をちゃんと意味が通じる順番に並べなきゃならないしね。
 きっと、フェリーはヴォーカルの入った状態の曲を聴いて、ayuが繰り返し同じ事を言ってるように聞こえると思う。で、その言葉について“これは何て言ってるの?”って聞くと思うんだよね。日本語のわかるスタッフに。それがサビの部分♪そう僕達はあらゆる全ての場所で繋がってるから、この言葉について考える君とだってもうすでに♪に書いたコト。“これは何だろう?”って言葉の意味をわかろうとした時点で、遠く離れた日本にいるayuともつながってるんだよ! っていうね。
 あと、ヴォーカルは“入れます!”みたいな気負った感じじゃなくて、鳴ってるシンセの中の1個の音みたいな感じで無機質なモノになればいいと思ったから、あえて無表情に歌ったつもり。そこに感情があると曲とぶつかっちゃうと思ったし…。この曲を聴いた人が自然に気持ちよく踊れるように! システムFのトランス・ワールドに入れればいいなと思います。

Naturally
これは、20分ぐらいかな? そのくらいで書けた曲。厳密に言うと、頭の中の段階では、かなり長い期間考えてて、でも書き出したら思いの外スラスラと書けた。作業的には、まずCMサイズ(30秒程度のサビの部分)をつくって、そこから全体を組み上げていったんだけど、CMサイズをつくってから全体をつくるまで(アルバム制作期間まで)スゴク間があったから、そういう意味では完成するまでの時間が、ほかのどの曲よりも一番かかってる作品。

still alone
この曲は「Naturally」とは逆のパターンで、書きたいコトが自分の中にスゴク明確にあったんだけど、オケ(メロディーなどのサウンド部分)がなかなか上手くいかなくて手こずった作品。ayuは、女の人じゃなくて女の子をテーマにした“かわいらしい曲”にしたかったんだけど、でもその微妙なニュアンスをアレンジをしてくれたCMJKさんに伝えるのが難しくて…。“かわいい”の基準は人それぞれ微妙にちがうからね(苦笑)。言われたCMJKさんもとまどったと思う。ayuも“かわいい感じで”みたいに抽象的にしか説明できなかったし。それで、何度かやり直しをして…。で、最終的には初めの頃とは全然ちがう曲になった。初めはね、もっとイカツイ曲だったんだよね(笑)。インタビューで“最後にできたのは「Naturally」”って答えたけど、この曲もほぼ同じ時期まで、〆切直前のギリギリの段階までやり直したりしてた。スタッフは“もう間に合わない”って焦ってたみたい。

Daybreak
「Daybreak」は、照れくさくなるくらい、スゴク熱いっていうか、爽やかっていうか…聴いてるこっちが恥ずかしくなるぐらいの純粋さを曲が持っているから、ayuも照れずに直球勝負! で、“お前それ恥ずかしいよ!”って言うような、“照れくさい言葉でも全然言っちゃおう!”みたいな感じで書いたんだよね。この曲はスゴク早く書けたよ。今までのayuだったら…きっとあえて落とした(そらした)感じの詞を書いたりしてたと思うな。だって、“直球とみせかけて、でも直球じゃない”方がayuらしいって言われるコト多いしさ。

A song is born
この曲の詞はツアーがベースになってる。いつもツアーはその後にリリースするアルバムにいい影響を与えてくれて、今回もそこで得たモノを何かひとつでも音にしよう、形に残そうと思ってた。そんな時、たまたま小室さん側から楽曲提供のオファーがあって…。で、小室さんから“どうしてこの曲をやりたいのか?”っていう気持ちを聞いて、“自分がツアーの時に感じたコトと同じだな”、“じゃあ、この曲にはその気持ちを反映させてみよう”って。ayuは小室さんの曲を歌うのは初めてなんだけど、小室さんから曲をもらった時は“さすがだな”って感じると同時に、改めて“小室哲哉”っていう“名前”を背負って生きてるんだなって思った。
 ちなみに、シングルでリリースしたモノとアルバムに収録したのでタイトル表記を変えたのは(12月12日にリリースしたシングルは「a song is born」と全て小文字)、KEIKOさんと2人で歌ったのとayuが1人で歌ったのを区別するためにそうしました。

no more words
曲をつくっている段階から、アルバムの最後の方に入れたいって思ってた「no more words」。詞は結構きつい内容なんだけど、“でもそんなのみんなわかってるし、もういいよね? だって、それでも生きてくしかないし、それでもみんな前へと進んでるんだから…”みたいな人間の“悲哀”っていうのかな? そういう部分を伝えたかった。何があってもどんなに辛くても、強く生きていかなければならないとayuは思うしね。このアルバムつくってた時に“もうダメだ。ムリだ”って何度も思ったけど、それでも頑張ってつくったし、その結果何とかできたしさ…(苦笑)。
 実はこの曲は、それまでできてた詞を1度ボツにして、新たに詞を書き直した曲なんだよね。その理由は、この曲の最後の方に“今はこれ以上話すのはやめとくよ”って部分があるんだけど、なんかね本当にそう思ったんだ。アルバム全体を通して、「I am...」〜「no more words」にまで一連の流れで、私は十分言えたし、伝えられた。すごく満足なくらいに…。だから、ここで、またひと言でも何かを伝えようとして、説明するためだけに言葉を補うと、逆に全てがわかりにくくなる気もしたし…。私も言うコトないし、きっとみんなももうこれ以上答えを求めたりしないだろうと思ったしさ。だから“今はこれ以上話すのはやめとくよ”って書いた。ちなみにタイトル「no more words」の意味は…もうこれ以上話さなくてもわかってるよね。


RAINBOW
■アルバムのタイトルを『』にした理由から聞かせてもらえる?
ayu⇒【虹って、誰もが1度は見たことがあって、 虹? それ何? って言う人がいないくらいすぐに思い浮かぶでしょ。でもさ、一瞬しか見られないし、いつでも見られるわけでもない。それに見たい時に見られるモノでもないでしょ。触れることなんてできないし…。でね、そう考えた時に、私が見たのはホントに虹だったのかな? 虹は本当にあるのかな? って思ったりしてね。人は“虹=7色でアーチになっているモノ”って概念を持っていて、絵を知ってるから、虹を見た時、そういう風に見えたと思い込んで、勝手に判断してるかもしれないし…。でも、本当はそうじゃないかもしれないでしょ? 例えばさ、ホントは3色だけなのかもしれないし…。
それとさ、虹を見て悲しくなる人っていないじゃん。“あっ、虹だ!”って、どこかうれしい気持ちになるし。私はそういう風になりたいっていうか、そういう存在でありたいって思ってね。すぐ隣にはいられないけど、みんな私を見て、虹を見た時のような気持ちになってくれたらいいなっていうかさ。で、タイトルを『RAINBOW』にしたんだよね】

■ジャケットを撮影した時の状況を少し聞かせてもらいたいんだけど。撮影はかなり長い時間がかかったんだよね。
ayu⇒【長かった〜! ポーズが上手くいかなくてね。全部隠さないといけないから、それがスゴク大変で…(苦笑)。あと、プールのような水槽の上に座ってたんだけど、私も人間だからさ、動いちゃうんだよね(笑)。そしたら水が動いて…。で、それが静まるのを待ってさ。】

■水槽の中はまさか....水??
ayu⇒【いや、お湯、お湯(笑)だけどすぐ冷えちゃうんだよね。だから、何度もお湯を足したりして…。でもね、結局すぐ冷たくなっちゃう。それに何も着てなかったし。】

■何も着てない??
ayu⇒【うん。だから(カメラマンの)レスリー以外の男性はみんな外に放り出されてた(笑)。

■ところで、今回のアルバムから英語詞を採用しようと思ったのは?
ayu⇒【今年は、アジアへ行くことが本当に多くて、その影響は大きいと思う。改めて“言葉の壁”は高いなって感じたし。通じなきゃ意味がないし、私のことをもっと知ってほしい。でね、自分をきちんと伝えられる世界共通の言葉=英語を学ぶ事が必須だって思ったんだ。例えばさ、英語で“I love you”って言ったら、それはもう“(恋人に対しての)愛してる”の意味しかないし、それはみんながわかってるでしょ】

■これはたぶんインタビュアー全員が聞くと思うんだけど、英語の歌詞を歌うコトに対して自分自身で違和感はあった?
ayu【スゴク違和感があった。どうやったらいいのかわからなくて…。例えば、自分の“節回し”ってあるでしょ。それもわからなくなっちゃったし(苦笑)自分が今までどういうアクセントで歌ってたのかわからなくなっちゃって…。セリフで言うと棒読み状態(笑)。日本語で言ってたセリフをいきなり英語に変えたら、どこに感情を置いていいのかわかんなくなるじゃん。そんな感じ。その時は、英語詞にしたの失敗だったかな? と思ったりもして、すごいブルーになったし、ホント参ったよ(苦笑)

■詞を書くときはどうだった? 歌う時以上に難しかったりした?
ayu⇒【思ってたよりはやりやすかった。例えばさ、日本語は1つの音符に1つの言葉しかハマらなくて、“私(わたし)”って言うには3つ音符がないとダメなんだけど、英語は1つの音符で“私(I)”って言えたりもする。あと、2つしか音符がないと日本語では“今夜”としか言えないけど、英語だと“今夜一緒にいよう!”って言えたりもするでしょ。】

■アルバムの制作状況を聞かせてもらえる? 今回もかなりスゴイ状況だったの?
ayu⇒【今までで1番すごかったんじゃないかな? 私より周りのスタッフの方が焦ってたと思うよ。私が歌入れを終えてから、“その後の作業にあと何日必要なのか?”とかみんなで話してたからね。というか、その辺は私にはあえて言わないんだよ、みんな。そういう意味でスゴク感謝してる。おかげで集中できたし。】

■今回の『RAINOBW』は、自分の中でどういう位置付けにあって、どういう作品?
ayu⇒【例えば前作『I am...』のタイトル曲「I am...」で書いたような“本当の私はこうなのに何でそうなの?”、“私はこうなんです。こう思っててこうしたいんです”。そういう“世間と自分のズレ”みたいなのと私はずっと闘ってきたんだけど、ここ最近は“やっぱりズレはあるんだろう”みたいに思えるようになってきたんだよね。昔は良かったと思うんだ、それで。同じ傷を持った同士が一緒に苦しみをわけ合って…。でも、もうそうじゃないよねって思って。みんなも私がどういう痛みを持っている人か十分わかってると思うしさ。
だから、今回の『』は、私の中にある迷いや不安、喜びや希望そういうのはもちろん歌っていくんだけど、“私は〜、私は〜”っていうコトじゃなくて、“(それを)聴いた人が立ち上がれるモノをつくろう”、“でなければ、今回のアルバムは意味がない”って意識してつくったんだよね。】

■確かに“人の生き様”や“人とは?”が色濃く描かれているアルバムだよね。じゃあ、最後に今回のアルバムをひと言で言い表すと?
ayu⇒【今までで一番“PERSONAL”であり“PEACEFUL”な感じが出せたアルバムだね、『RAINBOW』は。】

RAINBOW
この曲はCDには収録されてなくて、アルバム『RAINBOW』の初回盤に封入されている紙資料に載っているURL(スペシャル・サイト)へアクセスすると聴くコトができる曲なんだよね。どんな曲か? それは聴いてのお楽しみかな(笑)。まだ詞はつけてないんだけど、スゴクきれいな曲だよ。

WE WISH
「WE WISH」はスゴク強い曲。勢いがあって、始まっていく感じがするから1曲目にしたんだよね。詞やメロディだけじゃなくて、ヴォーカルもいつもより強めにちょっと荒い感じで歌ってる。丁寧に言葉を置く感じじゃなくてね。それが特徴かな。タイトルを“I WISH”ではなく“WE〜”にしたのは極々自然だったんだけど、これは“私だけの願い”じゃなくて“みんなもきっとそう願ってるだろう”と思ってそうしたんだよね。

everlasting dream
アルバムのオープニングを飾る「everlasting dream」は、CMJKさんが納期ギリギリであげてきてくれた曲。tasukuがつくった「taskinillusion」やHΛLさんの「neverending dream」といったいろんなインストがある中で、“1番歌メロっぽい”と思った作品なんだよね。詞のイメージはインストを聴いた時にパッと浮かんできたモノで…っていうか、その前に自分のホームページ(Team Ayu)にそれに似たコトを書き込んだんだけど、みんな気がついたかなぁ? 詞を書く時もそれを思い出しながら書いたんだよね。

Real me
女なら闘うべき!”。そんな思いを込めてつくったのがこの「Real me」。私の中では、男の人はスゴクジタバタしてて、女はジタバタしないイメージがあってね。男の人はさ、どんな大人でもどこかしら少年の部分があったりするでしょ。でも、女の人はピンチの時にも案外どっしりしてるというか…。“私はそういう女でありたい”と思うんだよね。
 曲調はR&B風なんだけど、アルバムの中にそういうのを1曲入れたくて。私はあまりコーラスを厚くしたりするタイプではないんだけど、「Real me」はその特有の世界からコーラスがバンバン入ってる感じになってる。だから、その作業にスゴク時間がかかった(苦笑)。で、でき上がった時“すげぇ、こんなになるんだ! ”とか他人事のように思ったりして(笑)。
 あと、この曲はプロモーション・ビデオを制作したんだけど、そこにTRFのCHIHARUさんとかETSUさんに出演してもらったんだよね。これは、ダンス・ビデオをつくりたいなって思った時、“2人にお願いするしかない!”、“CHIHARUさんやETSUさんに、ぜひダンスのシーンで協力してもらいたい!”って感じで…私の中では即決! だった。TRFのみなさんとは、夏にやった『a+nation』がきっかけで、最近接する機会がスゴク多くて、プライベートでも仲良くしてもらってて、“何か一緒にやりたいね”って話をしてたんだよね。

Heartplace
「Heartplace」は心の叫びを書いた。アルバムに何曲か入っている英語詞の曲の中で、初めてレコーディングしたのがこの曲だった。だからとまどいも強くてね。その時は、英語詞にしたの失敗だったかな? と思ったりもして、すごいブルーになったなぁ(苦笑)。
 レコーディングの状況は、いつもならヴォーカル・ブースに入って、一気に歌って出るんだけど、この曲の時だけは、ちょっと歌って、出て、考えて、で、またちょっと歌って、出て、聴いてって感じで…。いつもとはちがう流れで作業をしてたよ。そういう意味でスゴク印象的な曲だね。

over
過ぎ去りし日の恋を描いた「Over」。この曲は梅崎さん、佐藤さんに、ちょっとアジアを意識した感じのアレンジでお願いしますってオーダーをしたらこういう風にあがってきた。アジア過ぎないっていうか、なんかちょっと“ん? アジアっぽいかな?”っていうくらいの感じがいいなって思ってたら、まさに思い描いた通りのバランスで…。 詞はホテルにこもって書いたんだけど、Bメロの英語がなかなか決められなくて、そこだけずっと手こずってた。あとはサビのメロが今までにはないタイプでいきなり上がる感じだから、いろんな歌い方を試して、今の形におさまったんだよね。CMJKさんの曲を歌うのが初めてだったから、多分それもあったんだと思う。あと、私はこの後に「HANABI」っていう流れがスゴク好きなんだよね。

everywhere nowhere
この曲は私の後ろでキーボード弾いてるpopがつくってくれた曲で、初めて聴いた時から“アルバムに入れよう”って決めてた。イメージがよかったっていうか、シュールなんだけど、スゴク爽やかって感じがして、いいなって思ったんだよね。でも、初めのAメロのところが結構ダークだから、そこは歌い方も言葉の載せ方もスゴク大変で…テンパってたし(笑)、めちゃくちゃ時間もかかった。あと、アレンジはハイパー・テクノみたいな感じにならないように(笑)CMJKさんに頑張ってもらいました。 詞は最後だけ“いた”ってなってるんだけど、これは過去形にすることで前を向くコトができるというか、そういう感じにしたかったんだよね。

Dolls
私は迷い始めるとだいたいHΛLさんに“助けて下さい、神様”っていう感じで助けを求めるんだけど、HΛLさんは“超能力者じゃないか”って思うくらいに私の悩みを解決してくれたり、私の望む通りのアレンジをあげてきてくれるんだよね。“そうそう、この音!”、“解決したじゃん!”っていう感じでさ。「Over」やインストの「neverending dream」もそうだけど、この曲は特にそれが強くて“「Dolls」の曲”って言ってないのに、もろ「Dolls」でビックリ! したもん。
 詞は、でき上がった曲を聴いてる時、“どんどん花が咲いて、その花がいっぱい広がる絵”が浮かんできて、それで、“綺麗な花を咲かせましょう”になって、で、そこからどんどん膨らませていった。何度も繰り返す言い回し“ましょう”は、きれいな曲に仕上げたかったのと、日本語が持っている繊細なイメージを強調したかったからそうしたんだよね。

Close to you
私なりのクリスマス・ソング。いや、私なりにクリスマスの感じを出したらこうなった(笑)のがこの「Close to you」。もっと“ズバッ!”とクリスマスでもいいのかな? と思ったりもしたんだけど、私は言葉でストレートに伝えるよりも、作品全体を聴き終わったところで感じてもらいたいと思ってつくってきたし、全体の中で感じてもらうことを大事にしてきたから、その辺は変わらず大事にしていきたいなと思ってね。 この曲は“アルバムに収録できないんじゃないか”というくらいの時期に録った曲で、アルバム曲の中で最後にレコーディングをした作品なんだけどさ、アルバム制作の時期はとうに過ぎてたから(苦笑)、それ以外のスケジュールがパンパンで…。だから喉の調子を整える暇がなくて、何回かチャレンジしたんだけど、細かいニュアンスが伝わらないっていうか、なかなか上手く録れなくて…。ホントに最後の最後に残ちゃったんだよね。

independent+
何て言ったらいいのかな? 「independent」をベースにしてさらに長くなった作品。“+”は聴いてのお楽しみ(謎)みたいな(笑)。『ayu ready?』のエンディングにテーマソングとして流れてるって言えばわかるかな? “+”ではHamo Hamo Boys & Girlsとしてマネージャー2人と番長、tasuku、夏来といった、いつも私の側にいる人や友達にコーラスで参加してもらってます。どれが誰かわかるかな? って言うか、番長の声、聞こえすぎ(爆)。


A BALLADS
■3月12日に発売のバラード・ベスト『A BALLADS』に入っている曲の選考理由から教えてもらえる?
ayu⇒【収録した曲は、ファンクラブ=Team Ayuのアンケート集計結果をもとに、上位にきた曲を入れたんだよね。】

■アンケートを採ろうと思ったきっかけは何だったの?
ayu⇒【「RAINBOW」で詞やテーマを募集した時もそうだったんだけど、今回も“ファンのみんなと一緒に何かできればいいな”って。】

■ところで「RAINBOW」で詞を募集したり、『A BALLADS』でファンクラブのみんなからアンケートを採ったり、今年のayuはファンの人たちの近くに行こうとしてるのかな? って思うんだけど。
ayu⇒【そんなに深く考えてやってるわけじゃないんだけど、“ファンのみんなのそばに”っていう気持ちは常にあるからね。ただ、今まではそういう機会がなかなかなくて…。でも、今年は結構早めに計画できたから、実行に移してみたって感じかな。】

■『 BALLADS』のジャケットのテーマになっている“現在のayuと過去のayu”っていうアイデアのはどこからきたの?
ayu⇒【いつも一緒に仕事をしているアート・ディレクターから“《現在のayuと過去のayuが2人同時に存在する》っていうジャケットはどうか?”ってアイデアが出て。それで、今の自分が昔の自分を許したコトと、昔の自分も今の自分を許したコトを表現しようと思ったんだよね。よく“癒し”とかって言われるコトもあるんだけど、それはど〜なんだろ? 今の自分は過去の自分を癒しきれているのかわからないし…。許しているのは確かなんだけどね】

■ちなみに“過去の自分”っていうのは、具体的にはどのくらい昔の自分なの?
ayu⇒【ずっと昔、生まれてから今になる直前までだね。ジャケットでは大人のayuなんだけど、実はもっと赤ちゃんかもしれないし…。それくらい昔まで含めてだね。】

■生まれた瞬間から今になる直前かぁ....。それはスゴクよくわかる。ところで、「」は、レコーディングを初めて公開したんだよね。正直カメラが入って歌うのは気にならなかった?
ayu⇒【気にならないと言ったら嘘になるね。正直、最初はカメラが入ってるコトでとまどったし…。でも、すぐには慣れなかったけど、歌ってるうちに周りが気にならなくなった。さすがに目の前をカメラが横断したりするとちょっと気になったけど…(笑)。でも、そうじゃない限り、ヘッドホンの中の世界に没頭できたし、全然苦じゃなかった。】

■普段なかなか表に出ない部分なだけに“ayuはどうやって歌ってるんだろう?”って、気になってた人は多かったんだろうね。
ayu⇒【そうかもね。今回初めて公開レコーディングをやってみたんだけど、それを見て“あぁ、ayuはこういう風に歌ってるんだ”、“(この曲は)こうやってできたんだ”って感じてくれる人がいたらうれしいよ。】

■続いて、詞に関してなんだけど、この「RAINBOW」は“曲を聴いた人たちから詞やテーマを募って、それを読んだayuが詞を書く”っていう初めての試みをやったんだよね。全部で10万通! 届いたって聞いたんだけど、それ全部に目を通したの?
ayu⇒【うん。今まで直接みんなの声を聞いてそれを詞にするっていうのはやったことなかったし、届けられた声(詞やテーマ)はちゃんと全部聞きたい(見たい)と思ったからね。】

■すべてを見た後、どうやって詞を書いていったの?
ayu⇒【どうやってつくっていこうかな? って考えて…。全体を見て感じたコト、いろいろ思うじゃん、自分なりに。その感じた状態でいつも通りに詞を書こうと思ったんだよね。いろんな人の良い言葉を断片的に繋いでいくんじゃなくてさ。それにそういう形だったらayuではない、職業作家の人の方がきっと上手にできるハズだし。】

■誰か1人の詞やテーマではなくて、10万通すべてに目を通したayuが受けた(感じた)イメージを書いたってコト?
ayu⇒【そう。例えば、スゴク悲しいイメージの人がいたり、ハッピーなイメージの人もいたり、その人にしかわからないようなイメージや世界もあったりする。そのどれかに主観をおいて書くんじゃなくて、10万人の中にはこういう人もいて、こういう人もいる。それを踏まえた上で、私はどう感じるだろう? って。】

■実際に詞を書き始めて…。でもさ、それが一番大変だったりするよね? 送られて来たモノはテーマやイメージも書き方もバラバラだったりするんだろうし。
ayu⇒【そうだね。すべてに目を通すのはスゴク時間がかかったし、それを吸い上げるのはホント大変だった。その結果、納期ギリギリ! の日にできたしね(苦笑)。でも、つくる前までは大変だったけど、書き始めたら結構すんなり書けたんだよ。】

■でも、その苦労の結果、スゴクいい作品ができたと思うよ。あったかくて、優しくてさ...。話は飛んで、ラストに収録されている荒井由実さんのカヴァー曲「卒業写真」なんだけど、この曲って、ものスゴク有名な人の、ものスゴク有名な作品じゃん。そういう他の人の曲を歌って作品にするのはどういう感じ?
ayu⇒【「卒業写真」を歌うのは、確かにものすごいコトなんだろうけど、私はユーミン大好きだし、ユーミンとサザンばかり聴いて育ったから、全然実感がわかないっていうか…。ずっと好きで、ずっと聴いたり、歌ったりしてきたから、いつも自分のすぐそばにあったっていうか、そういう図々しい思い? かな(笑)】

■でも、レコーディングの時は緊張したんじゃない? 自分で書いた作品ではないし、そういう曲を歌う機会って今までなかったわけだからさ。
ayu⇒【そうだよね。でも、緊張とかはしなくて、歌ってる時はうれしかったし、気持ち良かった。まぁ、街で流れたりしてるのを聴いた時には“私歌ってるよ!”って改めて思うんだろうけど…。この間もテレビでチラッとオンエアされたのを見て、“あ、私歌ってるよ!”って思ったしね(笑)】

■情報が浸透する前にラジオなんかで聴いて“ホントにayuなの?”って思ってた人も多かったみたいだよ。
ayu⇒【ヴォーカル・アプローチがいつもとはちょっとちがうから、ayuっぽいけど、でも、ホントにayuなのかな? って思った人はいたかもね。】

RAINBOW
今まで直接みんなの声を聴いてそれを詞にするのはやったことがなかったから、「RAINBOW
」でそれをやってみようと思ったのがきっかけ。うれしいことに10万通! も届いてね。最初は“どうやってつくっていこうか? ”ってかなり迷ったけど…(苦笑)。届けられた声(詞やテーマ)はちゃんと全部聞きたい(見たい)と思ったし、中にはスゴク悲しいテーマや逆にハッピーな内容、色をイメージして書いた作品とか、10万人いれば10万通り感じることがあるわけで…。で、言葉を断片的に繋いでいくのは、職業作家の人の方がきっと上手にできるし、ayuじゃないと思ったんだよね。だから10万分の1=どれかに主観を置いて書くんじゃなくて、すべてに目を通して、全体を見たayuが感じたコト、イメージを詞にしたんだよね。

appears HΛL’S Progress
歌う前に、歌詞を確認しなくて済むぐらい頭に入っている作品(笑)。今までのayuの作品には、“私”や“あなた”、“君”といった主人公が登場して、彼らの揺れ動く気持ちや今こう思ってます、といった“心の内側”を歌うことが多かったんだけど、この「appears」では初めて“恋人達”っていう言葉が出てくる。一見幸せそうに見える恋人達が過ごす、ごく当たり前の日常。それを遠くから第三者的に見ている感じ。あと、“キス”って言葉を使ったのも初めて。プロモーション・ビデオの撮影で歌った時はスゴク照れたね(笑)

Key〜eternal tie ver.〜
この曲は、オケを変えようとか、歌入れをし直そうとかいろいろなアイデアがあって、実際作業を始めたりしてたんだけど、久しぶりに自分でオリジナルを聴いてみて、そのままの世界観がいいなって思ったからオリジナルのまま収録したんだよね。
 「Key〜eternal tie ver.〜」が収録されてる『Duty』は、1番ハードな時期に制作したアルバムで、だから声がちょっとハスキーな感じになっているところがあるんだけど、でも、そういうのも特徴だし、それをそのまま残した方が良いなぁって。やっぱり“その時の結晶”みたいなもんだしさ。

YOU northern breeze
デビュー曲「poker face」と同時期に用意されていたこの曲は、ayuにとって、“自分が歌を歌うんだ、歌手になるんだ”ということを意識させてくれた作品。「poker face」とこの「YOU」は、誰かのことを癒したいと思ってる自分がいたりしたんだけど、今思うと、そのころホントは自分が癒されたかったのかもしれない。詞にも出てるね、そういう悩んでいる部分が。レコーディングのときには、体調を崩して、ヴォーカル録りがかなり難航して大変だったな.

TO BE 2003 ReBirth Mix
今やDo As Infinityとしてデビューを果たした長尾さんに書いてもらった初めての曲。長尾さんの第1印象は、“大きな壁”[“乗り越えられない大きな壁”ではなくて、ホントに見た目がデカイという意味。ゴメンナサイ、長尾さん(笑)]。
 「TO BE」はコーラスが、今までのシングルよりも厚い音で入ってたんだけど、みんなは気が付いた? あと、「TO BE」のころは、当時ayuの中でブームだった、70年代っぽい雰囲気の衣装で、頭にスカーフを巻いて歌番組に出演することが多かったな。

HANABI
アンケート結果で「HANABI」が上位に入っていたのは、スゴクうれしかった。で、どういう形で収録しようか考えたんだけど、最近の曲だし、今回はバラード・ベストだから、原型のままでいこうと。ツアーなんかで披露しているライヴ・ヴァージョンはもっとロックでタイムも長くなってて、ayuはそっちの方も好きなんだけどね。機会があったら是非ライヴ・ヴァージョンも聴いてほしいな。

M HΛL’S Progress
2000年最後にして初CREAの作品。この曲は、“(今度の曲は)クリスマス・ソングにしよう”って、ayuとプロデューサーの考えから、いろんな人に曲を書いてもらうようにお願いしてた。でも、何曲書いてもらっても自分の思ってるような曲があがってこなくて…。で、これはもうCREAしかいないって思ってそうしたんだよね(笑)。でも、当時、まだCREAは曲を書いたことなかったから、本当にayuが望む曲が書けるのか? っていう不安はあったんだけど…。
 あと、今まで、ayuのプロモーション・ビデオは、どちらかと言うと、カァーッと照明が当たっている中でニコニコしながら歌ってる姿をアップで撮ってるみたいなのが多かったんだけど、この「M」のプロモーション・ビデオは、それまでとはちがう画にしたくて、ヨッチャンやエンリケさんたち=バンドのメンバーに参加してもらった。教会の前でみんなと一緒に歌うayuの姿。それは、演じているayu自身にとってスゴク新鮮だったんだよね。

Dearest
「Dearest」は2001年の集大成的な曲。これもオリジナルのまま収録してある。最初は、ピアノ・ソロ・ヴァージョンもいいかな? って考えたりしたんだけど、この曲は原曲にあるイントロ部分のピアノのリフが印象的だから、それを活かすためには“オリジナルのままがいい”、“やっぱり「Dearest」はあのイントロで始まらないと”と考えたんだよね。「Key〜eternal tie ver.〜」のところでも話したけど、それと一緒で、改めて聴いてみて思うコト、感じるコトって結構あるんだよね。

Dolls 
私は迷い始めるとだいたいHΛLさんに“助けて下さい、神様”っていう感じで助けを求めるんだけど、HΛLさんは“超能力者じゃないか”って思うくらいに私の悩みを解決してくれたり、私の望む通りのアレンジをあげてきてくれるんだよね。“そうそう、この音! ”、“解決したじゃん! ”っていう感じでさ。
 詞は、でき上がった曲を聴いてる時、“どんどん花が咲いて、その花がいっぱい広がる絵”が浮かんできて、それで、“綺麗な花を咲かせましょう”になって、で、そこから膨らませていった。何度も繰り返す言い回し“ましょう”は、きれいな曲に仕上げたかったのと、日本語が持っている繊細なイメージを強調したかったからそうしたんだよね。

SEASONS 2003 ReBirth Mix
最初は、“昨日のことを悔やんだり、明日を期待したりしても、自分は今をどうにかすることしかできない”ってことを書こうと思った。でも、詞を書いている過程で、その自分が存在している“今”ですら否定してしまうayuがいることに気が付いて…。「SEASONS」は、そんな心の葛藤を表現した作品。そういう意味では、スゴクわかりやすいと言うか、精神状態が詞に表われるアーティストだなって思いますね。
 「vogue」、「Far away」、「SEASONS」の3部作は制作するのにスゴク時間がかかった作品。詞が書けずに悩んだ時期もあったし、レコーディングに行っても歌えなかったことや行っても途中でスタジオを後にして帰ってしまったこともあった…(苦笑)。普段、絶対にそんなことはしない人なんだけどね、ayuは。そして、3曲とも今は絶対書けない! 消されてしまったら…もう思い出せないかもしれない。

Voyage
「Voyage」はミュージック・ビデオ『月に沈む』のイメージがすごく強い。曲が流れてるのを聴くと、行定さんの映像と真夏なのに極寒の日光で撮影した日々とが浮かんでくるし…。ホント「Voyage」はそれだね。あとは、去年の年末、いろんな歌番組でちがったヴァージョンを何度も歌ってたからそういう印象もあるし。

A song for XX"030213 Session #2"
サブ・タイトルの"030213 Session #2"はそのまんま(笑)。セッションをやった日付=2003年3月12日と“#2”はTake-2(2度目)のモノを採用したってコトを表記したんだよね。レコーディングする前は、“生バンド+一発録りでいこう!”とかみんなで言ってて、“よっしゃ〜!”って意気込んでスタジオに入ったんだけど、“生バンドでやろう!”ってアイデアを出した張本人の私がまちがったもんで…(苦笑)。で、“もう1回やらせて!”ってお願いして、2回で成功したんだよね。
 「A Song〜」はayuの中では一番変化した曲。ファースト・アルバムに収録してるオリジナルはスゴク繊細なイメージなんだけど、ライヴなんかではあえて元々のイメージを払拭するようなロック調ですごいハードな曲にしてある。今となってはオリジナルとは全然ちがうもう1つの作品になりつつあるかな? でも、そっちの形の方が今は「A Song〜」らしいかなって思うよ。
 アレンジは、バラード・ベストってコトを考えてシンゴさん(ayuのライヴでキーボード兼バンド・リーダーをやってくれてる人)がちょっと見直してくれたんだよね。

Who...
今回の『A BALLADS』は、事前に“この曲はアレンジしなきゃ”って決めてたわけじゃなくて、まずはいろんな曲をアレンジしてみて、で、でき上がったモノをayuやスタッフたちで聴いて、“あ〜じゃない、こ〜じゃない”って意見を交わしたりしたんだよね。で、もとの「Who...」は、打ち込み要素が多い感じがしたから、今回はもうちょっと人間っぽく、手づくりな感じにアレンジしたモノの方がいいなと思ってね。ただイントロのメロは、「Who...」の特徴で、ayuも好きな部分だから残しおいたんだけどね。アンケート結果の1位が「Who...」だったのはayuも予想通りだったよ。

卒業写真
「卒業写真」を歌うのは、確かにものすごいコトなんだろうけど、ayuはユーミン大好きだし、ユーミンとサザンオールスターズばかり聴いて育ったから、全然実感がわかないっていうか…。ずっと好きで、ずっと聴いたり、歌ったりしてきて、いつも自分のすぐそばにあったっていうか、そういう図々しい思いかな? (笑)
 レコーディングの時は緊張しなかった。それよりも歌えるコトがうれしかったし、歌っていて気持ち良かった。この曲はヴォーカル・アプローチがちょっとちがうから、“ayuっぽいけど、でもホントにayuなのかな?”って思った人がいたみたいだね。


Memorial address
まずはこの1年を振り返っての感想を聞かせてもらえる? 相変わらず忙しい1年だったんじゃない? 3月から5月末まで初のファンクラブ会員限定のライヴハウス・ツアー「TA LIVE」。7月には4曲入りのマキシ・シングル「」。8月には30枚目のシングル「forgiveness」。そして、10月からは30枚目のシングル発売を記念したライヴ「 museum」。11月に「No way to say」を発売して、この12月にはミニ・アルバム『Memorial address』リリースだし。
ayu⇒【うん。でも、'03年は本当にスゴクいい流れだったと思う。いろんなことに挑戦できたし。中でも秋にやったライヴ「 museum」は私の中で大きくて…。これがあったから「No way to say」が生まれたし、ミニ・アルバム『Memorial address』が誕生したんだと思う】

■「A museum」は、会場全体を使い、複数のステージを瞬間移動したり、50メートル強のベールをまとった純白ウエディングドレスを着たり、ほんとスゴイ内容だったよね。全22曲! 公演時間2時間半!! にもかなり驚かされたけど。
ayu⇒【そうだね「A museum」をやってみて、改めて自分をサポートしてくれてるバンド・メンバーやダンサーの素晴らしさを再認識できた。上手く伝えるのは難しいんだけど、このライヴを終えたことで得たモノはスゴク多いし、計りしれないほどの影響を受けたと思ってる。それくらいこのライヴ=「A museum」は自分にとって大きかった。】

■今回の『Memorial address』はCDのみ(\2,100)とCD+DVD(\3,465)の2タイプがあって、DVDにはボーナス・トラックの「Memorial address」を除く全7曲のプロモーション・ビデオ(PV)と「A museum」のダイジェスト映像が入ってるんだよね。
ayu⇒【うん。DVDを見てもらえば「A museum」の雰囲気が伝わると思う。】

■それにしても、CD+DVDとは豪華な2枚組だよね。PVやライヴの映像を収録したDVDをセットにした経緯を教えてもらえる?
ayu⇒【今年の初めから映像に興味を持ち始めて、いろんな映像監督たちの作品を積極的に見るようになって。それで、今年初のリリース作品「&」では新たな監督たちと個性的な3作品(「Greatful days」「ourselves」「HANABI〜episode II〜」)をつくった。その3作品を見たプロデューサーから“CD+DVDのミニ・アルバムをリリースしよう”と話が来たのが始まり。で、その話を受けて、DVDには今年映像の持つ魅力や可能性を感じた私を反映した形='03年に撮影した7本のPV+「 museum」のダイジェスト映像を収録しようと】

■映像の魅力にハマッた自分自身を表現する作品になったと。
ayu⇒【これはぜひじっくりと腰をすえて見てもらいたい! 何かを感じて動いているayu。それを1人でも多くの人に見てもらえたらと思うし、耳だけで得る情報と目と耳の両方で得るモノはちがうだろうから。】

■続いてジャケットのテーマについて教えてもらえる?
ayu⇒【ジャケットのテーマは“内に秘めた強さ”“内に秘めた思い”。それを表現したかったからジャケットや中の写真は、“笑っているでもなく、泣いているでもないすべて無表情な私”にして、全体的なカラーもあえてあまり存在を主張しないゴールドにした。】

■中にある写真でグリーンの衣装を着た人形っぽい写真があるけど、それもそんな感じだよね。人形の中に心があって、訴えかけてるような…。
ayu⇒【そう。まさにそんな感じ。】

■ミニ・アルバムの内容について少し教えてもらえる? 今回はシングル5曲に書き下ろした3曲の構成だよね。曲数は最初から8曲でいこうと?
ayu⇒【ううん。今回のようなミニ・アルバムという形態は初めてだったから最初は何曲がいいか? を考えた。で、最終的に8曲に決めたんだけど、シングル5曲に新たな3曲をプラスしたことで、その5曲に込めた思いがより伝わるようになったと思う。】

■ポップなメロディが特徴の「ANGEL'S SONG」、切ない恋心を歌った「Because of You」それと生バンドで収録した「Memorial address」の3曲。どれもいい曲だよね。ところで、ボーナス・トラックの「Memorial address」をミニ・アルバムのタイトルに決めたのと他の7曲とちがって、歌詞を掲載していない理由を教えてもらいたんだけど。
ayu⇒【“ミニ・アルバム=今年の自分”と考えた時、私のベースになっていたモノ、それはこの「Memorial address」にあって。だからタイトルはコレがいいと思った。でも、この曲に関しては自分でいろいろ説明するつもりはなくて、まず、聴いてもらいたい。ちゃんと聴いてくれれば私が何を思ってこの曲を書いたかがわかると思うから。歌詞を載せてないのも、文字にしてしまうより(目で見るよりも)何も情報がない状態でまず耳で聴いて、そして感じてほしかったから。】

ANGEL’S SONG
「ANGEL'S SONG」はメロディが突き抜けてる。作曲者のYukumiから来た状態はもっとロック・テイストで、もの悲しい感じだったんだけど、アレンジをお願いしたHΛLさんは、それを思いっきりアップなHΛL節全開! のアレンジにしてきて…。で、それが私の中でグッときてできた曲。PVは「Greatful days」を撮ってもらった須永監督にお願いした。狼に変身した私がギャングとバトルをするんだけど、その内容を初めて聞いた時は、思い描いてたイメージとのギャップがスゴクて…正直ちょっと驚いたよ(苦笑)。

Greatful days
詞の内容がすごくシンプルだし、主張しすぎない存在って言うのかな? スゴク聴きやすいんだけど、実はすごく主張があるというか…。そういうのがほしくてつくったんだよね。メロディは“これでもか!”ってくらい前向きな感じ。でもメチャクチャ明るいから、どんな顔して歌っていいかわからなくて(苦笑)。レコーディングの時はいつも笑ってたらしいんだよね。PVのテーマになってるのは“開放的な夏だからこそできる悪ノリ”。「ourselves」が悪夢なら、こっちは楽しい夢って感じかな。

Because of You
友達が、ある人と出会いスゴク好きになった。でも上手くいかなくて落ち込んでた。私が“出会わなければ良かったと思う?”と聞いたら、その友達が“出会えて良かったし、出会えたことが自分にとってスゴクうれしい”って晴れやかないい顔で答えてくれて…。それが、私の中に強く残って、そこからこの「Because of You」は生まれた。PVにはいつも一緒にツアーをまわっているダンサーたちが出演しているんだけど、これは私が丹下監督に提案したアイデア。『A museum』をやった時、その表現力を見てスゴク感動したからね。当日、セットの中にいるダンサーたちを見て、空気を操っているというか、どういう目的で自分がそこに立っているのか、ちゃんと理解してると思った。“はじめまして同士”では決して出せない絵・空気がそこにはあったし、映像にも出てると思う。

ourselves
クールでスゴク潔よい曲。恋愛というよりは、ハッピーなだけではない人生そのものを歌ってるんだよね。十分すぎるくらい満たされてる自分がいるんだけど、実は終わらない悲しみもあるっていうかさ。そういう感じを書きたかった。PVに関しては、奇抜なメイクや衣装、狂気の世界に身を投じた学者、私のポスターを破く不気味なアンチファンたち。そして彼らがかぶっていた私と同じ顔のマスクとか、丹下ワールド全開! って感じの作品になってます。

No way to say
説明したいんだけど、上手く説明できない。しゃべればしゃべるほど壁ができていったり、むしろ言葉がジャマをする。私はホント話すこと・説明することが苦手だな、そう感じていた時があった。で、それを人に話したところ“みんなそうなんじゃない?”って言ってくれた人がいた。その言葉がきっかけとなって生まれたのがこの曲。PVは「Real me」を撮ってくれた上村監督にお願いした。街角に立って、行き交う人にティッシュを配るサンタクロースが、私にはみんなとちがう色のティッシュをくれて、再び会った時に赤いラッピングで包まれたプレゼントを手渡してくれるシーンがある。これは、今の世の中、便利になってメールとかで用件や気持ちを伝えることが多いけど、やっぱり大事な人への思いを込めたプレゼントは手渡しの方が絶対にいいと思うから、そういうイメージのシーンを組み込んだんだよね。

forgiveness
自分の目線をムリに上げ下げせずに、でも歳をとった人も、自分くらいの年代も、もっと下の子供たちにも共通してあるものは何だろう? と考えた。そしたら“愛”にたどり着いた。赤ちゃんから、おじいちゃんやおばあちゃんまでどんな世代の人にも“愛”はあると思うし。タイトルは“祈っている感じ”、“懺悔してる感じ”、“荘厳な感じ”といったイメージから「forgiveness」に。日本語で“許す”とか“寛大な”といった意味があるんだけど、この作品には“寛大な”の方が近いと思う。PVは、CGを多用していて、撮影中には尾小山監督に“ここに○○があると思って…”とか言われたり、自分でイメージしながら演じなければならない部分が多くて、それがスゴク難しかった。

Memorial address
タイトル曲であり、ボーナス・トラックでもあるこの曲は、CDに収録している全8曲中唯一バンド・セッションで収録した曲。もともとは私ひとりでスタジオに入ってレコーディングをしてたんだけど、レコーディングしていて、ひとりよりも、周りにバンドやコーラスのみんながいて、音を聴きながら歌いたいと思った。ヨッチャンのギター、エンリケさんのベース、信吾さんのピアノ。支えてくれる人・音が私を穏やかにしてくれると思ったし、必要だとも思った。「Memorial address」。それは、私の中では特別な存在で、この曲をつくっている時、私の中にあった「teddy bear」(『DUTY』に収録)と共に大切なモノ。

INSPIRE
「INSPIRE」のタイトル命名の話から聞きたいんだけど。
ayu⇒【曲ができ上がって、いくつかタイトルを考えたんだけど、自分がイメージしている世界を表現するタイトルが見つからなくて…。で、いつも難航する時にアイデアをもらうスタッフに相談したら、提案してきたタイトル候補の中にこの「INSPIRE」があってさ。INSPIREの意味(=奮い立たせる、刺激する、活気を与える、呼び起こす)は自分が求めていたイメージ通りで、“カタカナ英語”でもあり、わかりやすくて耳馴染みもある。しかもインパクトがあって直感的・感覚的に伝わる言葉。だからこの「INSPIRE」がいいと思ってそれに決めたんだよね。】

■「INSPIRE」は制作に入る前に“ニューヨーク グッゲンハイム美術館展のイメージソング”というのが決まってたんだよね。
ayu⇒【当初周りのスタッフは、暗黙の了解で“美術館=バラード”と思っていたみたいでバラードを勧めてきて。だから、最初はそういうバラードをメインに選んで詞を書いて、歌入れをしていたんだけど、でも、自分の中で何かちがう感じがしてたんだよね。
で、私に依頼が来た理由をもう一度考えた時、展示会が渋谷で行なわれることや、もっと若い人たちにアートに触れて作品の持つパワーを感じてほしいこと、それに、きっといわゆる今までの美術館のイメージを払拭したい。だとしたら、今の私でなきゃできないことをしないと意味がないと思って。それで、バラードよりももっとメッセージを投げかけられるような曲。パワーがあってスゴク意志のある曲にしようと思ってね。で、そういうことを念頭に置きながら候補用の音源集を聴いてた時、この「INSPIRE」のデモが耳に入ってきた。で、改めてじっくり聴いたら、自分の中ですごくマッチしたんだよね、美術館の感じと新曲をリリースする意味とが。】

■この「INSPIRE」にはどんな思いが込められてるの?
ayu⇒【正直であるからこその強さを描いたつもり。それは、どちらかと言うと精神面での強さだから、もしかしたらカッコ良くも美しくもないかもしれない。でも、大事なのは正論を振りかざしたり、誇示したりすることではなく、内面的、ひたむきな強さだと思うんだよね。あとね、最近“人間くさくいたい”って思うんだ。生きていく上では、楽しいこと、うれしいこと、悲しいこと、それにカッコいい日もあれば、情けない日もあって。でも、それらすべてを受け止めて、自分に正直に、そして精一杯必死になって人は生きてる。でも、だからこそ人は強くなれると思うから。】


GAME
「GAME」について聞きたいんだけど、「GAME」の主人公は“人生は《GAME》”と割り切ったり、結構潔いよね?
ayu⇒【「GAME」の主人公は“人生は《GAME》ではない”と思ってるんだけど、でも《GAME》と思わないと生きていけない。もしくは今まで生きることすべてを、まるで《GAME》のように操り遊んできたのかもしれない。だけど《GAME》じゃないことに気づいてしまった感じかな。】

■この「GAME」のプロモーション・ビデオ(PV)は「Greatful days」なんかを撮った須永監督が担当してて、一緒に出演する共演者も個性的! だよね。ギター、ベース、ドラムのバンド・メンバー3名に加えて、高下駄(足の下に履く竹馬のような特殊な機器)を履くSTILTS PERFORMER、側宙(手を地面につかない側転)などの空中アクロバットを披露するCAPOERA PERFORMER、火炎放射器のように火を吹くFIRE PERFORMERなどのパフォーマー勢3名がいたりしてさ。
ayu⇒【須永監督には“全体的にヴァーチャル・ワールドな感じで視覚的に訴えてくるPVにしたい”って伝えたんだよね。監督はいつも“真面目に遊んでくれる”タイプの方なんだけど(笑)、今回はちょっとクールな感じ。スピード重視で展開も早いから、視覚的にも楽しめる作品になったと思う。あと、パフォーマーを起用したのは、自分やバンドだけが演じるのではなくて、いろんな特技ができるパフォーマーたちが映像に出てきた方が「GAME」の世界観が伝わるんじゃないかと思ってね】

■今回の「GAME」はもちろん、ロスで撮影した「INSPIRE」それに他のすべてのPVに関しても、人選や構成、演出、メイク、衣装...すべて自分で決めてるよね?
ayu⇒【プロモーション・ビデオは他の誰のモノでもない“自分の作品”だし、映像を自分のイメージに近づけようとするとそうなってしまうんだよね】

■じゃあ最後に。この夏はどういった活動をするの? 7月31日の富山から始まる『a-nation'04』に出演したりもするよね?
ayu⇒【今年の夏は『a-nation'04』がメイン。今は毎日リハーサルしてます。あとはニュー・アルバムの制作に重点を置いていきたいと思ってる。アリーナ・ツアーの後、少しずつ時間を割いてレコーディングを進めてるんだけど、夏の間に感じ取ったこと、今自分が伝えたいことを詞に反映させたりもしたいしね。】


Secret
No yet
始まりは凄く静香に始まるけどドカンと始まるか悩んで、勢いづけていこうと思った。
“君がまだしらない秘密を教えよう”って言うような歌詞が入ってるんだけど、それをどうとるかはお任せ(笑)

untill that Day...
カッコイイトラックだよね。ガリガリにイカツくて。そもそも覚悟を決めたいから歌い始めたんだと思うけど
そこまでの自覚や認識はしていなかったものの良く考えたら歌と言う自分の人生の選択をした時に決めたんだと思う。
でもまた“今あらためて”って言う気持ちがこの曲をなんだろうね。
歌詞にある“あなた”は私の中では神々しくてすごく尊いもの。
最後の皆的な歌だよね。
でもそれがある私は幸せですって事でもあるんだけどね。

Startin
シングルで聴いた時には違う印象を受ける人もいるかも知れない。
シングル曲はその時々のもの自分だし、このアルバムを想定してのことまでは全くなく、ただ全曲を並べてみたら“この曲順しかないでしょう”っていうのがピッタリきた。
それには自分でもホントにびっくりしたよ

1 LOVE
むちゃくちゃ叫んでるよね。
今までもROCKな曲はたくさんやってきたけどその中でも 1LOVEを作った頃って
最も叫んでたね。
1 LOVEの意味はもうそのまま。
愛でしょ・・・・それが全て。
人生そのもの。恋愛じゃなくて“愛”

It was
思い出はいつも美しい・・・じゃないけど実際にその頃に戻りたいとかじゃなくても、
ただやっぱり確かにその瞬間はあったわけで。
それは美しかったし、自分にとってはかけがえのないもので、永遠なものだと思っていた。
そう言うのってきっと誰にでもあるでしょう?
恋愛に限らずとも。
そう言う事を歌いたかった。
2コーラス目の“もう振り返ることはしないで前を向いて歩き続けた”って言う正しいと言う
確信はなくてもどうであれ、私はもう進んでいくしかないと思ったのに
ラストでまた迷ってる感じが人間っぽいと言うか・・・
そんなふうに終る曲があってもいいかなと思って。
ちなみにこの曲は(miss)understoodの楽曲を集めてる時にあった曲。

LABRINTH
迷宮に飲み込まれるような場面転換の曲

JEWEL
JEWELは純粋な温かくて優しいラブソング。
君は大切な宝物そのもの。
愛されるって素晴らしい、愛するって素晴らしいねとかかわされてしまった。

momentum
このタイトルは思いと行動がちぐはぐって言う意味なんだけど、
例えば私マンゴー好きで毎日食べてたの。
でもアレルギーになちゃって食べたら湿疹でるようになった。
だけど好きで食べちゃう。
やめようと思うようにやめれない。
そういうことかな。でも希望はある。
最後の永遠だから・・・
このループしてる感じがmomentum.
ちなみに悲しいPVです

taskinst
taskらしい感じの曲。
taskの性格が出てる楽曲かな?

Born To Be..
これはmomentumのPVにtaskinstってインストを挟んでこの曲って言うのがポイントかな?
人生の縮図だよね。
この曲は昨年末に作った曲だけど、振り返ると私はこのアルバムを作る為に
この1年があったのかなって思ってる。
そう消化した。
いつかは笑えるときがくる、いつかは許せるときがくる・・ってね。

Beautifun Fighters
ガールズパワー炸裂の曲
詞の世界とメロディーやアレンジのギャップが面白いと思う。

BLUE BIRD
爽やかな恋愛の曲
この曲はPVの思い出が大きい。

Kiss o’ kill
切ない渦の中に巻き込まれる。後悔めいたものを感じる。
うわべと根底とか浜崎あゆみとAyuと言うものもあるだろうし・・・
いわばこれは私の哲学かな

Secret
そしてまた、結局自分に戻った。
そう言う曲A Song for XXの頃の白い自分にね。
自分で選んだんだしこれがアタシなんだ、
もう“一生つき合っていくしかないよね”ってとこかな
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